診療内容
前立大肥大症
前立腺肥大症とは?
前立腺肥大症とは、肥大した前立腺が尿道を圧迫して、泌尿障害を起こす病気です。
おしっこが出づらい、頻尿、残尿感などの症状がでます。時に、尿路感染を合併し、発熱、尿閉(おしっこが出なくなる)、血尿をきたします。
50歳以上の男性の5人に1人はオシッコの出具合に問題があるといわれています。
その中で最も多いのが『前立腺肥大症』によるものです。
どんな症状がでる?
おしっこをした後もまだ残っている感じがする
おしっこをした後、2時間以内にもう一度トイレに行く
途中でおしっこが途切れる
おしっこを我慢するのがつらい
おしっこの勢いが弱くなった
お腹に力を入れないと排尿できない
夜中に何度もトイレに起きる
治療法は?
お薬での治療が主体となります。前立腺の緊張をゆるめてオシッコを出やすくする薬や、前立腺を小さくする薬など、最近は治りがよく副作用の少ないお薬が出てきています。
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- α1遮断薬
過剰に収縮した前立腺や尿道の筋肉の緊張を緩める薬です。
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- 5α還元酵素阻害薬
男性ホルモン、テストステロンは前立腺でジヒドロテストステロンに変換され、この作用により前立腺が肥大します。5α還元酵素阻害薬は、この返還を抑えることで前立腺を小さくする薬です。
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- 抗男性ホルモン剤
精巣で男性ホルモンが作られるのを抑えることで前立腺を小さくする薬です。
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- PDE5阻害薬
膀胱頸部、尿道、前立腺の筋肉を緩めることにより、尿の通りを改善する薬です。
症状が重症の場合は、手術での治療が必要になります。現在の手術は殆どが経尿道的(尿道から手術用内視鏡などを入れる)手術であり、おなかを切る手術は行われていません。【当クリニックでは手術は行っておりません】
日常生活で気を付けることは?
お酒を飲みすぎないようにしましょう。
刺激物を食べすぎないようにしましょう。
適度に水分を補給しましょう。
便秘をしないようにしましょう。
トイレを我慢しないようにしましょう。
身体を冷やさずゆっくり入浴しましょう。
尿路結石症
尿路結石症とは
尿路結石症は、腎臓でできた結石が尿路のどこかに詰まって尿の流れが悪くなる病気です。
尿路結石は、石のある部位により【腎臓結石】【尿管結石】【膀胱結石】【尿道結石】などに分類されます。
どんな症状がでる?
腎結石
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- 腰部、側腹部の疼痛
- 血尿
- 尿路感染
- 無症状のこともある
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尿管結石
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- 疝痛発作
- 背中から脇腹にかけて刺すような激痛 夜間や早朝に起きる事が多く3~4時間続く吐き気・嘔吐、冷や汗などを伴う事も
- 血尿
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膀胱結石・尿道結石
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- 排尿時痛、頻尿、残尿感
- 排尿困難
- 血尿
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治療法は?
治療は、まず痛みをとり、保存的治療または外科的治療により結石を排出させます。
痛みの除去
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- 非ステロイド性抗炎症薬(座薬) 〈アスピリン喘息の人には禁忌〉
- 非麻薬性鎮痛薬
- 鎮痛鎮痙剤
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保存的治療
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- 長径5mm以下の結石は、自然排石する可能性が高いので、水分を多量に摂取して、1ヶ月程度経過観察します。薬物療法を行う場合もあります。
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外科的治療【当クリニックでは実施しておりません】
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- 体外衝撃波結石破砕術
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最も身体に負担が少ない外科療法で、無麻酔、外来治療が可能です。
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- 内視鏡手術
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細い内視鏡やレーザー破砕機の開発により、最近普及している手術法です。
日常生活で気を付けることは?
バランスよく規則正しい食生活を
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- 野菜・海藻をたっぷり摂りましょう
- 塩分・糖分は控えめに
- 寝る前の食事は禁物
- コレステロールを多く含む食品は控えめに
- アルコールは控えめに
- 適度なカルシウムを摂りましょう
- シュウ酸を過剰に摂らない(ほうれん草・タケノコ・チョコレートなど)
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過活動膀胱
過活動膀胱とは
過活動膀胱は、様々な原因で膀胱が過敏な状態になる病気です。
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- 急におしっこに行きたくなっても我慢できない(尿意切迫感)
- トイレに行く回数が増える(頻尿)
- おしっこを漏らす(尿失禁)
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また、これらの症状のほかに尿が出にくい場合は、前立腺肥大症などの病気が合併している場合があります。
治療法は?
過活動膀胱は、『薬のよる治療』が効果的です。
薬による治療
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- 抗コリン薬という薬が効果的です。膀胱が勝手に収縮するのを抑える薬です。
副作用としては口が渇いたり便秘をしたりすることがあります。尿が出にくくなることもあります。
- 抗コリン薬という薬が効果的です。膀胱が勝手に収縮するのを抑える薬です。
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お薬の服用について
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- 症状がなくなっても自己判断で服用を止めないでください。
- 他の医療機関で処方されているお薬や市販薬を服薬している場合は、ご相談ください。
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日常生活で気を付けることは?
早めにトイレに行きましょう。(膀胱訓練の時以外)
外出時はトイレの場所を確認しておきましょう
便秘をしないようにしましょう。また、太りすぎに注意しましょう。(便秘や肥満は膀胱を圧迫し尿道を締める筋肉が緩みます)
寒い場所は避け、身体を冷やさないようにしましょう。
瑞文摂取はバランスが大切です。水分はきちんと摂りましょう。
こんな症状でお悩みではありませんか?
尿に血が混じっている
血尿とはおしっこの中に血が混じって赤くなった状態の事を言います。痛みを伴う場合もあれば、痛みがないのに尿が赤くなる事もあります。
原因としては膀胱炎や尿路結石で起こる事が多いですが、膀胱や腎臓にできた腫瘍(できもの)が原因の事もあるため、尿が赤くなった場合は速やかに専門医に受診される事をお勧め致します。
尿が出にくい、時間がかかる
尿をするときになかなか出ない、終わるまでに時間がかかってしまうなど、排尿困難感を訴えられる方は少なくありません。特に男性に関しては、そのような症状は前立腺肥大症が原因かもしれません。
薬を飲む事で症状が改善する可能性もありますので、是非ご相談ください。また女性の方でも、排尿に関する悩みをお持ちの方はご相談いただければと思います。
尿の回数が多い、トイレまで間に合わない、尿が漏れる
トイレに何回も行く、急にトイレに行きたい感覚が起きる、尿が漏れてしまうなどの症状は過活動膀胱という病気が原因かもしれません。
薬を飲む事で症状が改善する可能性もありますので、お気軽にご相談ください。
健診で検尿や血液検査、超音波検査の異常を指摘された
人間ドックなどで泌尿器科の異常を指摘される方が増えています。具体的には尿潜血、尿たんぱく、超音波での異常、PSA(前立腺がんの腫瘍マーカー)が高い、などです。健診で異常を指摘されても、病気があるとは限りません。専門医の視点から適正なアドバイスをさせていただきますので、何でもお気軽にご相談ください。
背中や下腹部が痛む
尿路結石や腎盂腎炎(腎臓の炎症)で背中の痛み、尿路結石や膀胱炎で下腹部の痛みが起きることがあります(泌尿器科の疾患以外が原因の可能性もあります)。症状が気になる場合は、お気軽にご相談ください。
排尿時に痛みや尿の残った感じ(残尿感)がする
膀胱炎や尿道炎、前立腺炎などの細菌感染が原因の可能性があります。多くの場合は抗菌薬で症状が改善しますので、お悩みの方は早期の受診をお勧めいたします。
ペニスや睾丸に発赤・痛み、腫れがある
ペニスや睾丸が細菌に感染した場合は赤みや痛み、腫れが起きることがあります。多くは薬で改善いたしますので、早期の受診をお勧めいたします。また睾丸が痛くないのに徐々に腫れてきたという方は睾丸の悪性腫瘍の可能性もありますので、気付いた時点でできるだけ早期に受診してください。
性病が疑われる
不特定多数の方との性的接触や性風俗店でのサービスは、性感染症(性病)のリスクになります。排尿時の痛みが主な症状ですが、症状があまりはっきりしない場合もありますので、気になる場合は受診をお勧めいたします。
精液に血が混じる
前立腺やその周辺臓器の異常で出血することがあります。特に病気がないこともありますが、まずは一度受診していただくことをお勧めいたします。
小児泌尿器科の問題(おねしょ、包茎、睾丸の異常など)が気になる
なかなかおねしょが治らないといった方には、まず問診・生活指導を行っております。薬の適応と思われる方には薬の処方も行っております。ただ、おねしょの改善には薬を内服しても数週間かかることがあります。お子さんのペニスや睾丸の状態が気になる方は診察させていただきますので、お気軽にご相談ください。
男性更年期治療
何もやる気がしない、朝の目覚めがスッキリしない、身体がだるいなど、憂うつな気分の原因は、ひょっとしたら男性更年期障害(LOH症候群)かもしれません。
女性だけの症状と思われがちな更年期障害ですが、実は男性にもあるのです。日本には600万人の潜在患者がいると考えられています。特に働き盛りの中高年男性が要注意です。仕事のストレス等でうつ病と診断されていた人が、検査をしてみたら男性更年期障害だったということもあります。
実際の診療ではまず問診と男性ホルモンの血液検査を行い、男性更年期障害と診断された場合はホルモン補充療法を行います。
*男性ホルモンは日内変動を起こすので、血液検査希望の方は午前中に受診をお願いいたします。